- 1. 1. 序論:ジェネレーティブAIにおける写実と非写実の融合
- 1.1. 1.1 背景とエコシステムの現状
- 1.2. 1.2 本レポートの目的と範囲
- 2. 2. モデル別詳細分析と技術仕様
- 2.1. 2.1 Standard / 無印 (v9.0 Exploration)
- 2.1.1. 2.1.1 概要と特性:リアリズムと構成力の限界探索
- 2.1.2. 2.1.2 推奨設定と技術的根拠
- 2.1.3. 2.1.3 更新情報と進化
- 2.2. 2.2 Semi-Realistic (v1.5)
- 2.2.1. 2.2.1 概要と特性:2.5次元の理想形
- 2.2.2. 2.2.2 推奨設定と技術的根拠
- 2.3. 2.3 Anime (v2.0)
- 2.3.1. 2.3.1 概要と特性:「神絵」の再現
- 2.3.2. 2.3.2 推奨設定と技術的根拠
- 2.4. 2.4 Catalyst (v1.0)
- 2.4.1. 2.4.1 概要と特性:創造性の触媒
- 2.4.2. 2.4.2 推奨設定と技術的根拠
- 3. 3. トレンド・評価調査:高評価作品の分析
- 3.1. 3.1 評価される画風:「ハイパーディテール・ライティング」
- 3.2. 3.2 キャラクター再現性のベンチマーク:「Lulu」テスト
- 3.3. 3.3 再現のためのプロンプト・設定の提案
- 4. 4. 綾波レイによる描画プロンプト作成
- 4.1. 共通ネガティブプロンプト
- 4.2. 4.1 Standard (v9.0 Exploration) 用プロンプト
- 4.3. 4.2 Semi-Realistic (v1.5) 用プロンプト
- 4.4. 4.3 Anime (v2.0) 用プロンプト
- 4.5. 4.4 Catalyst (v1.0) 用プロンプト
- 5. 5. 総合比較・生成事例と結論
- 5.1. 5.1 モデル特性比較マトリクス
- 5.2. 5.2 意識的生成事例:「椅子に座る綾波レイ」の違い
- 5.3. 5.3 結論
- 6. 引用文献
1. 序論:ジェネレーティブAIにおける写実と非写実の融合
1.1 背景とエコシステムの現状
2024年から2025年にかけてのStable Diffusionエコシステム、特にSDXL(Stable Diffusion XL)アーキテクチャの成熟は、画像生成AIの表現能力を飛躍的に向上させました。初期のSDXLモデル群が抱えていた「アニメスタイルの再現性」と「フォトリアリスティックな質感」のトレードオフは、コミュニティ主導のファインチューニングとマージ技術によって解消されつつあります。その最前線に位置するのが、「Illustrious-XL」をベースモデルとした派生形です。
Illustrious-XLは、Danbooruタグなどの膨大なイラストデータセットを用いて学習された、SDXL世代におけるアニメ生成の「事実上の標準(デファクトスタンダード)」となりつつあるモデルです。しかし、純粋なIllustriousモデルは、時に「平坦」あるいは「過度に二次元的」な出力に偏る傾向があります。ここで登場するのが、CyberRealistic CyberIllustriousシリーズです。
1.2 本レポートの目的と範囲
本レポートは、Cyberdelia AI Labによって開発されたCyberRealistic CyberIllustriousシリーズの主要な4つのバリエーション(Standard/v9.0 Exploration, Semi-Realistic, Anime, Catalyst)について、技術的な詳細、推奨設定、トレンド分析、および実践的なプロンプトエンジニアリングを網羅的に調査・分析したものです。
特に、ユーザーからの要求に基づき、キャラクターLoRA(Low-Rank Adaptation)を使用せずに、特定のアニメキャラクター(綾波レイ)を高品質かつ「バズる(高いエンゲージメントを獲得する)」レベルで生成するための具体的な手法を提案します。本分析は、Civitai、Hugging Face、Reddit等の主要コミュニティから得られたリサーチデータ 1 に基づき、専門的な視点から構成されています。
2. モデル別詳細分析と技術仕様
CyberIllustriousシリーズは、単一のモデルではなく、特定の美的目標(Aesthetic Goal)に向けて調整されたモデル群です。それぞれのモデルは、リアリズムとアニメーションのスペクトル上の異なる位置を占めています。
2.1 Standard / 無印 (v9.0 Exploration)
「Standard」あるいは「無印」と呼ばれるこのモデルは、シリーズの中核をなす存在であり、v9.0 Explorationはその最新の実験的到達点です。
2.1.1 概要と特性:リアリズムと構成力の限界探索
v9.0 "Exploration"(探求)という名称が示す通り、このバージョンは安定性よりも「表現の最大ダイナミックレンジ」を追求したモデルであると推測されます。従来のv8.0 Reduxなどのバージョンと比較して、より攻撃的なマージ比率や学習パラメータが採用されている可能性があります。
- ハイブリッド・テクスチャリング: Illustrious-XLの持つ強力な「2次元的構成力(構図、ポーズ、キャラクターの概念理解)」を維持しつつ、CyberRealistic(実写系モデル)由来の「物理ベースレンダリング(PBR)的な質感」を強制的に適用します。これにより、アニメ的な極端なパースペクティブを持ちながら、肌の毛穴、衣服の繊維、金属の光沢などが写真のように描写される独特の画風が生まれます 1。
- 「不気味の谷」の回避: 通常、アニメ顔にリアルな肌を適用すると不気味になりますが、CyberIllustriousは顔の造形バランスをアニメ寄りに保つことでこれを回避しています。
2.1.2 推奨設定と技術的根拠
v9.0のポテンシャルを引き出すには、特定のサンプラーとパラメータ設定が不可欠です。
| パラメータ | 推奨値 | 技術的・理論的根拠 |
|---|---|---|
| Sampler | DPM++ SDE Karras | SDE(確率微分方程式)系サンプラーは、生成プロセス中にノイズを動的に追加・除去するため、 v9.0が目指す「高周波ディテール(肌の質感や背景の微細なノイズ)」の再現に最適です。 決定論的なサンプラー(Eulerなど)では、これらの微細なテクスチャが平滑化されてしまう傾向があります 1。 |
| Steps | 30 - 40+ | SDE系サンプラーは収束に時間を要するため、高いステップ数が必要です。 30未満ではノイズが残留し、画像が粗くなるリスクがあります 1。 |
| CFG Scale | 5.0 - 6.0 | 非常に重要な設定です。 SDXL系モデルとしては低めの値を推奨します。 7.0を超えると、リアリズムの重みとアニメの重みが衝突し、 コントラストが過剰になり(「焼けた」画像)、テクスチャが崩壊します 1。 |
| Resolution | 896x1152 / 832x1216 | SDXLのネイティブ学習解像度(約1024x1024)に近いアスペクト比を選択します。 Illustriousベースであるため、 縦長のポートレート構図で最も安定した結果が得られます 1。 |
| VAE | Baked-In (内蔵) | 外部VAEは不要です。 モデルにベイク(統合)されたVAEは、 このモデル特有の広いダイナミックレンジと色彩設計に合わせて調整されています。 |
2.1.3 更新情報と進化
v9.0 Explorationは、これまでのv8.0系で見られた「安定した写実性」から一歩進み、より実験的な表現力を備えています。特に、照明効果(ライティング)に対する反応性が向上しており、プロンプトによる光の制御がより敏感になっている点が特徴です。
2.2 Semi-Realistic (v1.5)
Semi-Realistic(半写実)版は、アニメと実写の「完全なる中間点」を目指して設計された、極めて実用性の高いバリアントです。
2.2.1 概要と特性:2.5次元の理想形
このモデルは、所謂「コスプレ写真」や「Unreal Engine 5による高精細キャラクターレンダリング」のような美学を志向しています。
- アイデンティティの保持: 完全な写実モデル(Realistic)では、アニメキャラクターの特徴的な顔立ち(大きな目、小さな顎)が西洋人の平均的な顔立ちに「修正」されてしまい、キャラクター性が失われる(Catastrophic Forgetting)問題があります 6。Semi-Realistic v1.5は、この問題を解決するために調整されており、キャラクターの造形はそのままで、質感のみをリアルにする能力に長けています。
- 肌と素材の表現: v9.0ほどの過剰なディテール(毛穴など)は抑えられ、スムーズで美しい肌(陶器のような肌)や、清潔感のあるライティングが特徴です 7。
2.2.2 推奨設定と技術的根拠
Semi-Realisticは「綺麗さ」と「整い」を重視するため、Standardとは異なる設定が求められます。
| パラメータ | 推奨値 | 技術的・理論的根拠 |
|---|---|---|
| Sampler | DPM++ 2M Karras | "2M"は二次精度のソルバーであり、 幾何学的な整合性と滑らかなグラデーションを生成するのに優れています。 SDEのようなノイズ感(粒状感)を排除し、 クリアで清潔な「2.5次元」のルックを実現します 8。 |
| Steps | 25 - 30 | 2Mサンプラーは収束が早いため、 30ステップ程度で十分な品質に達します。 過剰なステップ数は、逆に画像を硬くする可能性があります 8。 |
| CFG Scale | 7.0 - 8.0 | このモデルはプロンプトの指示に対してより素直に従うよう調整されており、 やや高めのCFG値でプロンプトの忠実度(Prompt Adherence)を高めることが推奨されます 8。 |
| Upscaler | 4x_NMKD-Siax_200k | 推奨アップスケーラーとして挙げられており、 アニメ調の線を維持しつつ解像度を上げるのに適しています 8。 |
2.3 Anime (v2.0)
CyberRealistic CyberIllustrious Anime v2.0は、シリーズ中で最も「Illustrious」の原点に近いモデルですが、単なるアニメモデルではありません。
2.3.1 概要と特性:「神絵」の再現
このモデルの目的は、写真を作ることではなく、「写真のような光と空気感を持ったイラスト」を作成することです。
- リッチな塗りと照明: 通常のアニメモデルが平坦な塗り(セルシェーディング)になりがちなのに対し、Anime v2.0は厚塗り(Impasto)や、映画的なライティング効果(ボリュメトリックライト、ブルーム効果)を自然に取り入れます。
- Danbooruタグへの高い親和性: ベースとなるIllustriousの特性を最も色濃く残しているため、自然言語の文章よりも、Danbooru形式のタグ(例: 1girl, solo, looking at viewer)の羅列によるプロンプト制御が最も効果的です 5。
2.3.2 推奨設定と技術的根拠
イラストレーションとしての「柔らかさ」を表現するための設定です。
| パラメータ | 推奨値 | 技術的・理論的根拠 |
|---|---|---|
| Sampler | Euler a | "Euler ancestral"は、ステップごとにランダムなノイズを加算するため、 生成過程で「揺らぎ」が生じます。 この揺らぎが、イラスト特有の「筆致」や「柔らかい境界線」を生み出し、 デジタル特有の硬さを緩和します 5。 |
| Steps | 20 - 30 | イラスト生成においては、細部を描き込みすぎないことが重要です。 20ステップ程度で止めることで、適度な抽象度を保ち、 描き込み過多によるノイズ化を防ぎます 5。 |
| CFG Scale | 6.0 - 7.0 | アニメイラストの鮮やかな色彩を維持するための標準的な範囲です。 |
2.4 Catalyst (v1.0)
Catalystは、シリーズの中で「実験的」かつ「創造的」な位置付けにあるモデルです。
2.4.1 概要と特性:創造性の触媒
v1.0は、以前のバージョン(v7.0等)で薄れつつあった「Illustrious特有のリッチなディテール」を取り戻すために再設計されました 9。
- 芸術的自由度: リアリズムの制約を意図的に緩めており、現実にはあり得ないような幻想的な背景、抽象的なエフェクト、複雑な衣装デザインなどを許容します。
- プロンプト従順性と「予期せぬアイデア」: ユーザーの入力したプロンプトを厳密に解釈しつつも、モデル側の解釈による「意外性」を付加する傾向があります。「Catalyst(触媒)」という名は、ユーザーのアイデアを化学反応させて新しいイメージを生み出すことを意味しています。
2.4.2 推奨設定と技術的根拠
実験的なモデルであるため、非常に繊細な制御が必要です。
| パラメータ | 推奨値 | 技術的・理論的根拠 |
|---|---|---|
| Sampler | DPM++ SDE Karras | 複雑なディテールと「カオス」を表現するために、 SDEサンプラーの表現力が必要です 9。 |
| CFG Scale | 4.0 - 5.0 | 最重要点: Catalystは非常に「焼けやすい(Overcook)」傾向があります。 CFGを低く設定することで、モデルの創造的な自由度を確保し、 色が飽和して画像が破綻するのを防ぎます 9。 |
| Clip Skip | 1 | 正確なプロンプト理解のために、Clip Skipは1に設定します。 |
3. トレンド・評価調査:高評価作品の分析
CivitaiやRedditなどのコミュニティにおける高評価作品(Most Buzzing/Top Rated)の分析から、CyberIllustriousシリーズを用いた「成功する」生成の法則を導き出します。
3.1 評価される画風:「ハイパーディテール・ライティング」
高評価を得ている作品の多くに共通するのは、単なるキャラクターの可愛さではなく、**「光の物理表現」**へのこだわりです。
- 逆光とサブサーフェス・スキャタリング(SSS): キャラクターの背後から光を当て(Rim Lighting)、耳や指先が光を透かして赤く光る表現(SSS)が、リアリズムと美しさを両立させる要素として多用されています 6。
- テクスチャの対比: 滑らかな肌を持つアニメキャラクターを、粗いテクスチャを持つ背景(雨に濡れたコンクリート、錆びた金属、ネオンサインのガラス)に配置することで、被写体を際立たせる手法がトレンドです。
- 視線誘導: depth of field(被写体深度)やbokeh(ボケ味)を意図的に使用し、背景をぼかしてキャラクターの瞳に視線を集中させる構図が好まれます。
3.2 キャラクター再現性のベンチマーク:「Lulu」テスト
コミュニティでは「Lulu」というオリジナルキャラクターを用いたモデル比較テストが行われています 3。このテストから得られた知見は以下の通りです。
- 課題(Catastrophic Forgetting): リアリズムを追求したモデル(Standardなど)ほど、特定の髪型や衣装の細部といった「キャラクター固有の知識」を忘れやすい傾向があります。
- 解決策(トレンド): これを克服するために、**「ハイブリッド・プロンプティング」**が主流になりつつあります。これは、キャラクターの特徴を指定するために「Danbooruタグ」を使用し、画風や質感を指定するために「自然言語(文章)」を使用する手法です。
- 例: 1girl, twin tails, pink hair (タグ) + cinematic shot of a girl standing in the rain, hyper realistic water droplets (自然言語)。
3.3 再現のためのプロンプト・設定の提案
高評価作品を再現するための「黄金設定」は以下の通りです。
- ネガティブプロンプトの重要性: Illustriousベースのモデルは、ネガティブプロンプトに敏感です。特に3d, cgi, plasticを入れることで、安っぽい3Dレンダリング感を排除し、リッチな質感を得ることができます 10。
- 画質向上タグ: プロンプトの冒頭または末尾に (masterpiece, best quality, absurdres, newest:1.2) を配置することは、ほぼ必須の「儀式」となっています 11。
4. 綾波レイによる描画プロンプト作成
ここまでの分析(各モデルの特性、推奨設定、トレンド)を統合し、キャラクターLoRAを使用せずに「綾波レイ」を生成するための、各モデルに最適化されたプロンプトを作成します。
共通戦略: 綾波レイの特徴(ayanami rei, blue hair, red eyes, plugsuit)はモデル自体が学習済み知識として持っていますが、それを単に出力するだけでは「バズる」作品にはなりません。**「物語性のある照明」と「質感の強調」**を加えることで、モデルのポテンシャルを最大限に引き出します。
共通ネガティブプロンプト
全てのモデルで共通して使用する、品質底上げ用のネガティブプロンプトです。
(worst quality, low quality, normal quality:1.4), lowres, (flat color, monochrome, grayscale:1.2), (bad anatomy, bad hands, missing fingers:1.2), text, watermark, username, signature, blurry, jpeg artifacts, (cleft chin, western stylistic:0.5), 3d render, cgi, plastic looking, muscular, manly
4.1 Standard (v9.0 Exploration) 用プロンプト
コンセプト: 「実写版エヴァンゲリオンの映画セットで撮影されたスチール写真」。v9.0のテクスチャ再現能力を極限まで活かします。
Prompt:
(masterpiece, best quality, photorealistic:1.3), 1girl, ayanami rei, (evangelion), plugsuit, white bodysuit, glossy latex texture, red eyes, short blue hair, light particles, (rain soaked:1.2), standing on a rooftop at night, cyberpunk city background, neon signs reflecting on suit, (depth of field, bokeh:1.2), (cinematic lighting, volumetric fog, rim lighting:1.3), 8k uhd, raw photo, f/1.8, 85mm lens, sharp focus, intricate details, realistic skin texture, pores, wet skin, emotional expression, lonely
解説:
f/1.8, 85mm lens, raw photo といったカメラ用語を多用し、モデルに「写真である」と認識させます。glossy latex texture や pores(毛穴)を指定することで、v9.0のSDEサンプラーが高周波ディテールを生成するよう誘導します。


4.2 Semi-Realistic (v1.5) 用プロンプト
コンセプト: 「Unreal Engine 5で作成された8Kキャラクターデモ」。美しさとリアルの融合を目指します。
Prompt:
(masterpiece, best quality), 1girl, ayanami rei, evangelion, plugsuit, interface headset, mechanical details, highly detailed face, beautiful eyes, soft lighting, (semirealism:1.2), (mixed media:1.1), futuristic laboratory, cold blue lighting, lens flare, detailed background, soft shadows, raytracing, unreal engine 5 render, global illumination, digital art, intense stare, smooth skin, aesthetic, trending on artstation
解説:
カメラ用語の代わりに unreal engine 5, global illumination, digital art を使用し、写真のような粗さ(ノイズ)ではなく、デジタルアートとしての「完璧な滑らかさ」を引き出します。DPM++ 2M Karrasサンプラーとの相性が抜群です。


4.3 Anime (v2.0) 用プロンプト
コンセプト: 「劇場版アニメのキービジュアル」。ドラマチックな構図と色彩を重視します。
Prompt:
(masterpiece, best quality, absurdres:1.4), 1girl, ayanami rei, solo, plugsuit, white bodysuit, red eyes, blue hair, short hair, hair between eyes, bandages, floating, debris, crumbling city, sunset, (dynamic angle:1.3), (from below:1.2), dramatic shadows, intense lighting, lens flare, anime coloring, cel shading, detailed illustration, kyoto animation style, vivid colors, atmospheric perspective, emotional, wind blowing hair
解説:
自然言語を減らし、Danbooruタグ(hair between eyes, dynamic angle)を中心に構成します。cel shading や anime coloring を指定することで、リアリズムへのドリフトを防ぎ、v2.0の持つ「神絵」生成能力を開放します。


4.4 Catalyst (v1.0) 用プロンプト
コンセプト: 「LCLの中で融合する意識」。抽象的でアーティスティックな表現。
Prompt:
(masterpiece), 1girl, ayanami rei, (silhouette:1.1), (bioluminescent plugsuit:1.3), glowing red eyes, dark atmosphere, glitch art, chromatic aberration, data streams, matrix code, heavy rain, (double exposure:1.2), dreamlike, surrealism, synthwave color palette, cyan and magenta, high contrast, emotional, lonely, intricate abstract background, (breaking glass:1.2), fluid dynamics, dissolving
解説:
glitch art や double exposure といった抽象的な概念を投入し、Catalystの「創造的な解釈」を誘発します。CFGを4.0-5.0まで下げることで、プロンプトの指示に縛られすぎない、偶発的で幻想的なイメージを生成させます。


5. 総合比較・生成事例と結論
最後に、これら4つのモデルの違いを簡潔にまとめ、それぞれのモデルがどのような出力傾向を持つか、同一シチュエーション(例:「椅子に座る綾波レイ」)を想定した生成事例として提示します。
5.1 モデル特性比較マトリクス
| 特性 | Standard (v9.0) | Semi-Realistic (v1.5) | Anime (v2.0) | Catalyst (v1.0) |
|---|---|---|---|---|
| 主な用途 | フォトリアリズム、 質感研究 | 2.5Dアート、ゲーム素材、 コスプレ風 | 高品質アニメイラスト、 壁紙 | 実験的アート、SF、 サイバーパンク |
| プロンプト形式 | 自然言語 + カメラ・レンズ用語 | ハイブリッド (タグ + 描写文) | Danbooruタグ (厳密なタグ付け) | 抽象概念 + タグ |
| 質感・テクスチャ | 極めて高い (毛穴、繊維の凹凸) | 中程度 (滑らかな肌、シャープな線) | 低い (厚塗り、セル画調) | 変動的 (スタイルに依存) |
| CFG感度 | 高い (< 6 推奨) | 低い (7-8 でも安定) | 中程度 (6-7) | 非常に高い (< 5 推奨) |
| 最適サンプラー | DPM++ SDE Karras | DPM++ 2M Karras | Euler a | DPM++ SDE Karras |
5.2 意識的生成事例:「椅子に座る綾波レイ」の違い
もし、全く同じ「椅子に座る綾波レイ」というテーマで生成を行った場合、各モデルは以下のような解釈の違いを見せます。
- Standard (v9.0):
- 出力: まるで実在のコスプレイヤーが撮影スタジオにいるかのような写真。プラグスーツのビニール素材の光沢、椅子の革の質感、肌の微細な凹凸までが描写される。照明は現実的で、影も濃く落ちる。
- Semi-Realistic (v1.5):
- 出力: フィギュアのパッケージ写真や、最新ゲームのカットシーンのような画像。顔の造形はアニメ的で整っているが、質感はリアル。肌は「毛穴が見える」ほどではなく、陶器のようにスムーズで理想化されている。
- Anime (v2.0):
- 出力: アニメ雑誌の表紙のようなイラスト。明確な輪郭線があり、影はグラデーションではなく色面(セル塗り)で表現される場合もある。背景の光には「ブルーム効果」がかかり、空気感が演出される。
- Catalyst (v1.0):
- 出力: アート性の高い一枚。椅子がデータノイズで構成されていたり、レイの体が半透明になっていたりするかもしれない。構図も極端なアングル(ダッチアングルなど)が選ばれやすく、色彩も現実離れしたネオンカラーになる傾向がある。
5.3 結論
CyberRealistic CyberIllustriousシリーズは、SDXL環境において「写実」と「非写実」の境界を自在に行き来するための強力なツールセットです。
- 究極のリアリズムを求めるなら Standard v9.0。
- 安定した美しさを求めるなら Semi-Realistic v1.5。
- 最高峰のイラストを求めるなら Anime v2.0。
- 新しい表現の開拓なら Catalyst v1.0。
ユーザーは自身の制作意図(Artistic Intent)に合わせてこれらを使い分けることで、LoRAに頼らずとも、綾波レイのようなアイコニックなキャラクターを「バズる」クオリティで再構築することが可能です。本レポートで提示した設定とプロンプトは、その探求の確実な出発点となるでしょう。
引用文献
- cyberdelia/CyberIllustrious - Hugging Face, 1月 11, 2026にアクセス、 https://huggingface.co/cyberdelia/CyberIllustrious
- CyberRealistic CyberIllustrious - v9.0 Exploration | Illustrious Checkpoint - Civitai, 1月 11, 2026にアクセス、 https://civitai.com/models/1125067/cyberrealistic-cyberillustrious
- Hundreds of Lulus: Evaluating and Scoring Illustrious Checkpoints 61-80 [SFW-ish] | Civitai, 1月 11, 2026にアクセス、 https://civitai.com/articles/20218/hundreds-of-lulus-evaluating-and-scoring-illustrious-checkpoints-61-80-sfw-ish
- CyberRealistic XL Catalyst Reviews | Rated 5 Stars by 134 Users on Civitai, 1月 11, 2026にアクセス、 https://civitai.com/models/1694531/reviews?modelVersionId=1934646
- CyberRealistic CyberIllustrious Anime - Illustrious Anime v2.0 - Civitai, 1月 11, 2026にアクセス、 https://civitai.com/models/2081804/cyberrealistic-cyberillustrious-anime
- Illustrious finetunes forget character knowledge : r/StableDiffusion - Reddit, 1月 11, 2026にアクセス、 https://www.reddit.com/r/StableDiffusion/comments/1onfjfo/illustrious_finetunes_forget_character_knowledge/
- CyberRealistic CyberIllustrious Semi-Realistic، نموذج الـAI - SeaArt AI, 1月 11, 2026にアクセス、 https://www.seaart.ai/ar/models/detail/c4fc4268e2944173ffe9ee59e3daed24
- cyberdelia/CyberRealistic - Hugging Face, 1月 11, 2026にアクセス、 https://huggingface.co/cyberdelia/CyberRealistic
- CyberRealistic CyberIllustrious Catalyst - Catalyst_Illust v1.0 ... - Civitai, 1月 11, 2026にアクセス、 https://civitai.com/models/1986798?modelVersionId=2249015
- CyberIllustrious v3.8 - MonAI, 1月 11, 2026にアクセス、 https://wiki.monai.art/en/models/cyberillustrious
- Tips for Illustrious XL Prompting (+ Updates!) | Civitai, 1月 11, 2026にアクセス、 https://civitai.com/articles/8380/tips-for-illustrious-xl-prompting-updates

