1. 概要と位置づけ
illustrious_pencil-XL と 4nima_pencil-XL は、どちらも同一の開発者 bluepen5805 氏によって作成された、Stable Diffusion XL (SDXL) ベースのアニメ・イラスト生成モデルです。これらは「Pencil(鉛筆)」シリーズとして、デジタルアートにアナログな鉛筆画やスケッチの質感を付与することを目的としています。
両者の決定的な違いは、**基盤としているエコシステム(親モデル)**にあります。これにより、得意とする画風、プロンプトの作法、そしてキャラクター再現性が大きく異なります。
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| 特徴 | illustrious_pencil-XL (v3.2.0) | 4nima_pencil-XL (v1.0.1) |
|---|---|---|
| ベースモデル | Illustrious XL v1.0 | Animagine XL 4.0 |
| 開発者 | bluepen5805 | bluepen5805 |
| ライセンス | Fair AI Public License 1.0-SD | Fair AI Public License 1.0-SD |
| 主な特徴 | 芸術的、淡い色彩、アーティスティック | キャラクター再現性重視、汎用性が高い |
| 推奨サンプラー | Euler a | Euler a |
| 推奨CFG | 4.0 - 5.0 | 5.0 - 7.0 |
2. 詳細比較分析
2.1 技術的系譜と画風の違い (The Genealogy)
- illustrious_pencil-XL (Illustrious系)
- 画風: Illustrious XL特有の「空気感」や「塗りの柔らかさ」を継承しており、鉛筆の質感と合わさることで、水彩画やカラーインクのスケッチのような、非常に叙情的でアーティスティックな絵が出やすい傾向にあります。
- 強み: オリジナルイラストや、雰囲気重視のポートレート。背景の描き込みや光の表現が独特で、"AIっぽさ"が少ない画像を生成できます。
- 弱み: 特定のアニメキャラクター(特にマイナーなもの)の衣装や細部設定の再現度は、Animagine系に劣る場合があります。
- 4nima_pencil-XL (Animagine系)
- 画風: Animagine XL 4.0の膨大なキャラクター知識ベースを持っています。線画はよりハッキリしており、**アニメの設定資料集や原画集(Key Animation)**のような、カッチリとした鉛筆画スタイルになります。
- 強み: 版権キャラクター(綾波レイなど)の再現性が圧倒的に高いです。複雑な衣装や特定のポーズ指定にも強く、破綻が少ないです。
- 弱み: 画風が整いすぎており、Illustriousのような「予期せぬ芸術的な崩し」や「エモさ」は意識的にプロンプトで作る必要があります。
2.2 プロンプト戦略の差異 (Prompting Strategy)
両モデルともDanbooruタグを使用しますが、**品質タグ(Quality Tags)**のルールが異なります。ここを間違えると画質が低下します。
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| 項目 | illustrious_pencil-XL | 4nima_pencil-XL |
|---|---|---|
| 必須品質タグ | masterpiece, best quality, absurdres, newest | masterpiece, best quality, high score, great score, absurdres |
| 非推奨タグ | score_99, rating_explicit (Pony系タグは無効) | score_99 (不要だが、high score系は必須) |
| 自然言語 | 対応(限定的) | 非推奨(タグ形式推奨) |
| ネガティブ | 最小限で良い (lowres, bad anatomy) | Animagine標準 (lowres, bad anatomy, text, error...) |
- 解説: 4nima は Animagine 4.0 の仕様に従い、high score, great score といったスコアリングタグを入れることで画質が劇的に向上します。一方、illustrious は newest や masterpiece で画風をコントロールします。
2.3 生成設定 (Settings)
- CFGスケール:
- illustrious_pencil-XL: 低め (4.0推奨)。Illustrious系はCFGが高いと色が飛びやすく、コントラストがきつくなりすぎるため、低めで柔らかさを出します。
- 4nima_pencil-XL: 標準 (5.0 - 7.0)。Animagine系はプロンプト従事性を高めるため、ある程度高いCFGでも耐えられます。
- 解像度:
- どちらもSDXLベースなので 1024x1024, 832x1216 などが基本です。illustrious_pencil-XL v3.2.0 は 2048x2048 への耐性が強化されているという情報もあります。
3. 結論:どちらを選ぶべきか?
illustrious_pencil-XL を選ぶべきケース
- **「一枚絵としての美しさ」**や「雰囲気」を最優先したい場合。
- オリジナルキャラクターや、特定の版権キャラに縛られない創作をする場合。
- 水彩画風、ラフスケッチ風など、アナログ画材の"ムラ"を楽しみたい場合。
- プロンプト:masterpiece, best quality, absurdres, 1girl, watercolor (medium), sketch...


4nima_pencil-XL を選ぶべきケース
- **「特定のキャラクター(綾波レイ等)」**を正確に描きたい場合。
- 複雑な構図や、破綻のない安定した出力を求める場合。
- アニメの原画や設定資料のような、線が際立ったスタイルを作りたい場合。
- プロンプト:masterpiece, best quality, high score, great score, absurdres, 1girl, ayanami rei, neon genesis evangelion...


総評:
今回のユーザーの目的である「綾波レイの描画」においては、キャラクターの特徴(プラグスーツの細部や髪型)を正確に捉える能力に長けた 4nima_pencil-XL の方が適している と判断されます。一方、より抽象的でエモーショナルなレイを描きたい場合は、illustrious_pencil-XL に切り替えることで、全く異なるアプローチが可能になります。

